前立腺がんの危険因子として考えられているのは脂肪の多量摂取、肥満などです。
他のがんのように喫煙との関係は否定的な報告が多いようです。また飲酒との関係も明らかではありません。
脂肪の多量摂取については、同じ日本人でもハワイ在住の日系人と日本在住の日本人の3.5倍から6倍といわれています。
おそらく食事の欧米化、すなわち脂肪の多量摂取と関係しているのではないかと考えられています。
肥満と前立腺癌の関係については特にBMI(body mass index[(体重(kg))/(身長(m))2])と前立腺癌リスクとの関係が多く報告されており、関係があるといえるでしょう。
その他活発な性活動などが前立腺癌のリスクを高めるといわれています。
前立腺がんのリスクを下げる要因としては、特に最近食品との関係が注目されています。
トマトなどに含まれるリコピン(lycopene)や豆類(とくに大豆食品)に含まれるイソフラボン(isoflavone)についてはいくつかの報告がみられます。
前立腺がんと遺伝要因との関係については、父親が前立腺癌だった場合前立腺癌発生リスクは1.65-3.77倍、兄弟の場合は2.57-3.00倍、父親、兄弟または息子のいずれかの場合は2.26-8.73 倍であり、家族歴は前立腺癌の確立したリスクファクターといえるでしょう。