前立腺肥大症が進んだ人では尿を出しきれない人が多いはずです残尿が常に多量にあれば、時には尿失禁になることもあります。
この時期になりますと、膀胱が変形して縦に伸び、しかも内壁がギザギザになります。
やがて膀胱にたまった尿が尿管へと逆流するようになり、腎臓の機能が低下し、放置すれば腎不全を起こしてきます。
前立腺肥大症による腎不全は、尿管に逆流する尿の圧力によって力学的に腎臓に影響がもたらせられるものです。
したがって、尿管や腎臓の中がふくらんでくる水尿管、水腎という長い過程を経て初めて腎不全に至るのです。
急激になるものではなく、前立腺肥大症は必ず腎不全を合併するものと考えないほうがよいと思います。
非常に大きく腫大した前立腺肥大症の治療の原則は手術です。
優れた方法は、内視鏡手術です。内視鏡手術の利点は患者さんがたいへん楽なことです。
先端に電気メスのついた内視鏡を尿道から挿入し、内部の様子を見ながら、最短距離で前立腺に到達して、肥大した前立腺をきれいに切りとってしまうのです。
手術中はもちろん、術後の痛みもまったくありません。入院日数は1週間以内です。