前立腺がん 転移

前立腺がんも転移します。

前立腺がんは、まず周囲のリンパ節に転移します。
時間が経つにつれて、他の場所にも徐々に転移していきます。

転移は肺や大腸など様々な臓器への転移の可能性が考えられますが、前立腺がんが特に転移しやすいのは、骨です。

前立腺がんが骨に転移する確率は非常に高く、前立腺がんの転移全体のうち70~90%程度に骨への転移が見られます。

骨の中でも、特に骨盤骨、脊椎、ろっ骨、大腿骨への転移が見られます。

リンパ節までの転移ならば、5年生存率(手術などの治療をほどこした後、5年以内に生きている確率)は、80%ですが、骨にまで転移した患者の5年生存率は25%にまで低下します。

前立腺がんの転移の治療は、まず内分泌療法(男性ホルモンを抑える薬を投与する方法)を行うのが一般的です。

男性ホルモンの働きを抑えるLH-RHアナログ薬を投与しても、しばらくすると体が慣れて、徐々に効果が薄れていきます。その場合は、もう完全に治療することが難しくなるので、痛みを和らげるための治療に移っていきます。

また、骨転移による痛みが出た場合は、前立腺に体の外から放射線を当てる治療法で、77~92%のケースで痛みをとれることがわかっています。

抗がん剤は、がんの再発そのものを抑える効果は期待できませんが、痛みを抑える効果や一時的にがん細胞を抑える効果はあります。

抗がん剤の効果も長続きはしないため、それでも痛みが出る場合は、痛み止めを使うしかありません。
硫酸モルヒネ徐放剤を1日に2、3回飲むことで、痛みをかなり和らげることができます。



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