前立腺肥大の治療:薬物療法

前立腺肥大症の薬による治療である「薬物療法」では、内服薬などを使って尿の通りをよくします。

α1受容体遮断薬

 この薬は、交換神経の緊張によって起こる前立腺・膀胱(ぼうこう)の平滑筋(へいかつきん)の緊張を解いて、尿道の内圧を減らして尿の通りをよくします。広く使われている薬です。

 効果は 1週間程度で現れて、長くつづきます。

 副作用はとても少ないです。下痢、鼻づまり、立ちくらみ、めまい、精液量の減少などが起こります。

 肥大した前立腺を小さくする効果はないので、薬の服用をやめると、また排尿障害の症状が戻ってしまいます。

・薬の名前[選択的]
 塩酸タムスロシン(商品名:ハルナール)、シロドロン(商品名:ユリーフ)、ナフトピジル(商品名:アビショット・フリバス)

・薬の名前[非選択的]
 ウラピジル(商品名:エブランチル)、塩酸テラゾシン(商品名:ハイトラシン・バソメット)


抗男性ホルモン薬

 男性ホルモンの作用を抑制(よくせい)して、肥大した前立腺を小さくすることで、尿の通りをよくします。

 効果は、服用から 2週間から 2ヶ月で現れます。

 副作用は、性欲が減る、勃起不全(ぼっきふぜん)、女性化乳房(じょせいかにゅうぼう)、肝機能障害、胃腸障害など。

・薬の名前
 酢酸クロルマジノン(商品名:プロスタール・プレニバール・ルトラール・他)、アリルエストレノール(商品名:パーセリン・サルミコール、アランダール、他)


漢方薬
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 排尿障害の治療として、漢方薬や生薬を使う場合もあります。

・薬の名前
 漢方薬(牛車腎気丸・八味地黄丸、他)、生薬(セルニルトン・エビプロスタット、他)